時間の矢

時の矢

今日11月6日は

 

私の父の命日で

 

私が9歳の時に亡くなったのですが

 

いろいろなことがあって

 

私が高校を卒業と同時に

 

東北の三陸海岸での生活を手放すことが

 

私たち家族の間で決まっていました。

 

あの当時、この季節はとても寒くて

 

私は冬の灰色の海沿いを

 

コートのポケットに手を入れて歩いていました。

 

あの救いようもないほどの、

 

頬を切る風の冷たさ、凍るような海が大好きだったのです。

 

次からはもう、こうして歩けなくなると

 

感傷的でもあり、

 

未来的でもありました。

 

すべては父の死からの始まりでした。

 

時間の矢は

 

未来にしか進むことができないことを知ったのも。

 

けれど、

 

私たちはその後も歩き続け

 

時の矢の進む方へ進み続けました。

 

そして今日の11月6日という日を迎え

 

あれから何十年後かの未来の今日になりました。

 

私は東京にいて

 

雨だけれど

 

なんだか

 

思ったより悪くないかも

 

なんて

 

思っているのです。

 

 

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